脊髄損傷について

脊髄とは、頭部の延髄の下部から背骨の3分の2ほどまで伸びる「神経線維の束」をいいます。脳からの指令をからだの各部の神経に伝達する役割をもち、また自律神経の中枢となるなど独自の機能も持っています。

交通事故による衝撃は、小脳から腰椎に伸びる中枢神経である脊髄の損傷につながる場合があります。

脊髄損傷の症状

脊髄を損傷すると脳とからだの各部の間の伝達機能に支障が生じ、症状としては損傷した脊髄から手足の指先などにおいて運動・知覚が麻痺するなどの障害が現れます。脊髄損傷による障害は、麻痺の程度に応じ、大きく2つに分類されます。

完全麻痺

からだの部位がまったく動かず感覚もなくなった状態のこと。全く何も感じないわけではなく、受傷した部分から下の麻痺した部分にかけて、痛みを感じることもある。頚椎を損傷した場合には、四肢全てが動かないという状態になることもある。

不完全麻痺

脊髄の一部が損傷して一部が麻痺をしている状態のこと。ある程度運動機能が残っている軽症から一部の感覚知覚機能だけしか残らない重症なものまである

 

脊髄損傷の後遺障害認定基準

等級 認定基準
1級1号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。以下の症状が該当。
①高度の四肢麻痺が認められるもの
②高度の対麻痺が認められるもの
③中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
④中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
2級1号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。 以下の症状が該当。
①中等度の四肢麻痺が認められるもの
②軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
③中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
3級3号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの。以下の症状が該当。
①軽度の四肢麻痺が認められるもの
②中等度の対麻痺が認められるもの
5級2号 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの。以下の症状が該当。
①軽度の対麻痺が認められるもの
②一下肢に高度の単麻痺が認められるもの
7級4号 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの。
一下肢に中等度の単麻痺が認められるもの
9級10号 神経系統の機能または精神に障害を残し、服することが出来る労務が相当な程度に制限されるもの。
一下肢に軽度の単麻痺が認められるもの
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの(通常の労務に服することができるが、多少の障害を残すもの。)。
・運動性、支持性、巧緻性及び速度について支障が殆ど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの
・運動障害が認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの
脊椎損傷の認定のポイント

脊髄損傷の後遺障害において適正な等級認定を受けるためには、高次CT画像やMRI画像などの画像所見と、医師が診察して作成した後遺障害診断書神経学的所見など、必要な資料を整えた上で後遺障害の等級認定を得る手続きをしなければなりません。

脊髄損傷の診断は、①画像診断、②神経学的診断、③電気生理学的検査が代表的なものです。

画像診断は、X線、CT、MRIなどが使われます。X線、CTは、骨折等の判断、骨の変形・列の乱れなどを検査します。MRIは、椎間板(骨と骨の間にある衝撃吸収装置)の脊柱管内(脊髄が入っている管)への脱出・圧迫や血腫の形成と脊髄への圧迫などを検査します。

神経学的診断は、四肢の動きや感覚障害の有無・レベルなどを検査します。

電気生理学的検査は、神経刺激による異常波を観測し、脊髄の損傷の有無・程度を判断します。

どのような検査が必要か、どのような書類が必要になるかは、後遺障害の知見が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めします

 
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